外航貨物海上保険ドットコムのことならお任せください

外航貨物海上保険

■企業訪問

 外航貨物海上保険ご説明する機会(出前説明会)を設けます。その出前説明に際しては、事前にお問い合わせフオームまたは、電話番号(03-6365-1631)によりご連絡をお願いします。

A. 保険期間

 外航貨物海上保険の保険期間(保険会社の責任の始終のこと。)は、原則として「A地点からB地点まで」といういわゆる航海建となっております。また、危険の種類には、「海上危険」、「ストライキ危険」および「戦争危険」の3種類がありますが、このうち戦争危険だけが異なっております。

○海上危険・ストライキ危険

「倉庫から倉庫まで」であって、輸送用具への積込みのため最初に動かされたときから、通常の輸送過程を経て、最終仕向地のバイヤーの倉庫において、荷卸しが完成したときです。

但し、次のような場合には、輸送の途中であっても保険関係は終了します。

  • 外航本船から荷卸しされて60日経過したとき。(航空機輸送の場合は荷卸し後30日経過したとき。)
  • 通常の輸送過程にあたらない保管または仕分け等のために倉庫において荷卸しされたとき。

○戦争危険

海上輸送中の外航本船に積載されている間のみ。

「海上危険」と「ストライキ危険」に関しては、保険期間が「倉庫から倉庫まで」になっているかどうか点検しなければなりません。この場合、事実上グローバルス タンダード化しているインコタームズ(国際商業会議所International Chamber of Commerce:ICC )とのすり合わせが重要です。例えば、そのインコタームズによる貿易条件のうちFOB系の「戦争危険」は充分に間に合いますが、「海上危険」と「ストライ キ危険」では、間に合わなく、無保険状態に陥ることがあります。従って、コンテナ船を利用しようとする場合には、インコタームズ2010に基づくことにつ いて売買契約の条項に加えたり(FOB→FCA、CFR→CPT、CIF→CIP)、それができない場合にはFOBの場合は保険期間を前倒しできるようにRisk Attachment Clause やCIFの場合はWarehouse to Warehouse Clauseという倉庫間条項を加えたり、見直しを図ることが望まれます。

 

B.保険申込み等

保険料の目安等についてご紹介します。 外航貨物海上保険を締結するに際しては、まず見積書を提出してもらうことからはじまります。その場合、バイヤーとの取引頻度が継続的であるか、それともスポット的であるかどうかで分かれます。

○継続取引の場合

包括予定保険契約(Open Policy オープン・ポリシー)
保険契約者が将来に向かって、一定の期間(通常は無期限)にわたってもれなく保険をつける方式であって、特約事項をあらかじめ定めるやり方ですが、物流実態の変化に伴う変更もできるようになっております。

例えば、次の事項があります。

保険の対象 新規事業の立ち上げにより取扱い貨物の増加
支払限度額 調達価格の高騰により設定していた支払限度額や累積損害支払限度額を超過する輸送貨物になったもの
輸送用具 従来は船舶積みのみであったが、航空機の輸送に計画変更するもの
保険の対象輸送区間 シンガポール生産拠点の可動に伴いシンガポール向け資機材の輸出とシンガポールからの製品輸入

この場合、「保険料の支払に関する覚書」を取り交わして、保険会社と保険契約者の間で保険料の支払を契約締結月の翌日の末日までに猶予する旨を取り決めることができます。
また、船舶名や船積日が判明した場合には、保険契約者は保険会社あてに確定通知書(貨物の明細、数量、積載船舶名、出帆年月日、航路、保険金額等)を提出しなければなりません。

○スポット取引の場合

個別保険契約
輸送毎に付保する方式のことであって、輸出または輸入の輸送開始前、すなわち保険期間の開始前に保険申込みしなければなりません。しかし、現実の貿易取引 の現場では、保険期間の開始前に保険申込みをすることがタイミング的に無理なことがあります。特に、輸入取引のFOB系では契約の相手方から連絡が入るの は相当に日数が経過していることが見受けられます。そのような場合には、予定保険契約の申込みで対応することができます。

(注)外航貨物海上保険申込書を希望すをるときの記載項目とは、(1)荷主欄、(2)貨物の内容欄(品名、数量、梱包、金額)、(3)輸送の継続性欄(年間見積輸送額、1輸送あたり最高額)、(4)危険開始日欄、(5)輸送用具欄、(6)輸送区間(仕出地、積出港、積替港、荷卸港、最終仕向地)、(7)参考情報のことを指します。

C.保険事故発生通知

「事故発生通知書」のタイミング等についてお知らせします。
保険事故通知者は、CIF輸出貨物のうち外航本船上での引渡しの前後で分かれます。なお、CIPの場合は外航本船上での引渡しでなく、運送人への引渡しの前後にあたります。

○外航本船上での引渡し前
保険を申込みました荷主(セラーのこと。)が事故発生通知を提出する者です。それはリスク負担者がセラーであって被保険利益があるからです。

○外航本船上での引渡し後
荷受人(契約の相手方でバイヤーのこと。)が事故発生通知を提出する者です。それはリスク負担者が荷受者に移転しており、被保険利益も移転しているからです。
また、FOBおよびCFR輸入の場合は、輸入者が事故発生通知を提出する者です。それは、保険期間の始期が外航本船上での貨物の引渡しを受けた日であって、その始期において輸入者にリスク移転=所有権移転にあたりますから、当然に被保険利益があるわけです。

(注)CIF輸出貨物のうち荷卸しの段階で保険事故が判明した場合は、貨物到着地に所在する保険会社クレーム・エージェント(損害査定代理店)あてに迅速に連絡してもらうことになります。それがCIF輸出のうち外航本船上での引渡し前の案件やFOB、CFR輸入のうち保険事故が判明した場合には、我が国に所在する保険会社の損害サポート部門に直接連絡することになります。

D.保険金請求

必要な書類・資料を点検し、保険金の請求勧奨を図ります。
損害額*×支払割合=保険金≦保険金支払限度額
* 運賃または諸掛りのうち支出を免れた額(未支出費用)が保険価額に含まれていたときは、
 それは損失額から控除されます。

(注)荷主が保険金を受領しますと、保険金の額を限度として事故権利の一切を
   保険会社に譲渡します。(事実上の回収義務からの解放。)

E.他の保険での対応 輸出案件のうちFOB、CFR、FCA

輸出案件のうちFOB、CFR、FCA、CPTに対する外航貨物海上保険は、バイヤー側が保険を手配しますから、セラーは外航貨物海上保険を利用する余地がありません。しかし、無保険状態になる場面が2箇所あります。その1つとしては、FOB、CFRに係るリスク負担の移転時期の境目になるのは、外航本船での貨物の引渡日にあたりますから、その前の段階ではセラー側にリスク負担期間があります。セラーはその期間に限って保険をかけることができます。(FCA、CPTの場合は貨物がバイヤーに引渡しされる前の段階にあたります。)そこに着目した保険として輸出FOB保険があります。

次には、バイヤーが保険を手配するところ、それを実行しなかった場合です。それは、バイヤー側においては、経営破綻が表面化した場合です。その場合には、貨物が輸送中であるけれども、売買契約をキャンセルする選択肢を選ぶかもしれません。その場合には、外航貨物海上保険lがなく、無保険状態になります。その状態を回避することに着目した保険として未必利益保険があります。